不動産価値と事業価値

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不動産価値と事業価値

2021/03/04

不動産価値と事業価値

どこまでが不動産価値でどこまでが事業価値なのか

イルカの郵便ポスト

仕事で2日間、紀南にきており、三重県にあるフェアフィールドに初めて宿泊しました。和歌山県でも串本町の橋杭岩の道の駅と、すさみの道の駅で開業が予定されており、今後、和歌山のインバウンドに寄与することが期待されています。

さて、不動産評価と事業価値評価、企業価値評価は、共通点が多くあります。不動産鑑定評価基準によれば、不動産鑑定評価は、不動産の経済価値に関する専門家の判断であり、意見であるとされ、不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価を独占的に行うことが認められています。よって、不動産鑑定士以外の者が、不動産の鑑定評価(不動産の経済価値を判定し、レポーティングする業務)を行うことは禁止されており、違反すれば当然に罰則の規定があります。企業価値評価や事業価値評価は、それ専門の国家資格があるわけではないですが、個人的には、不動産鑑定士は、不動産評価だけでなく、バランスシートの借方のあらゆる資産評価や、企業価値評価、事業価値評価を実施すべきだと思っています。

フェアフィールド マリオット 三重御浜(共用スペース)

随分前から、オペレーショナルアセットといって、ホテル、物流施設、商業施設、介護施設、病院等の事業用不動産が存在感を増している状況です。私も和歌山にUターンして1年半ですが、個人的には、地方の不動産の価値を見る際は、事業価値評価の側面が相応に強いと思っています。というのは、人口減少下において、不動産の有効需要が圧倒的に少ない中で、不動産の取引市場が機能しづらくなっているからです。年間を通して、周辺に殆ど取引がない中で、その不動産の市場価値を求めるのは至難の業だと思います。

元来、不動産は利用して初めて価値が生じるものでもあると思います。例えば、空き家となっていた古民家をリノベーションして、民泊施設として収益を上げた場合、その収益価値は、不動産の価値なのか、事業価値なのかの判断は、非常に難しいと思います。

従来の鑑定評価の考え方や、銀行の担保価値評価の考え方からすると、築年数が相当経過している古民家に価値を付けるのは、相当難しいかと。。。

フェアフィールド マリオット 三重御浜(室内)

他方、古民家でも、大きな利益を上げている不動産は多くあります。古民家の例のように、不動産価値は大したことは無いのに、不動産価値に比して、大きな事業利益を上げていく。このギャップが大事なのではないかと思っています。和歌山のような、地方においては、不動産価値が大きく減少してしまっています。見方を変えると、事業を行うに際しての不動産コストは年々下落しているのだと思います。

地方創生においては、不動産の取引価値(取引が少ないので、想定上の概念になるケースも多いと思いますが。)<不動産を利用することによる事業価値の状態をいかに創り出していくかが大事だと思っています。これって、さほどハードルが高くないのではないかと思っておりまして、個人的には、地方創生は経済的にも、結構面白いと感じています。

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