不動産利回りの話

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不動産利回りの話

2021/02/27

不動産利回りの話

不動産利回りを理解してますか??

空前の不動産投資ブームが続いています。私も、今まで不動産投資を業務としていなかった会社から、不動産投資を始めるといった相談を多く受けるようになってきました。まだ2~3年は、優良不動産には投資が集中するのではないかと思います。サラリーマン大家といわれるように、一般の年収水準である個人でさえ、不動産投資を実施している例も多くなっています。

不動産投資の際の価値判断のバロメーターの一つとなるのが、利回りです。不動産には多くの利回りがあります。表面利回り、ネット利回り、NOI利回り、NCF利回り、還元利回り、期待利回り、割引率、投下資本収益率、ネット利回り、利払い後利回り、減価償却後利回り、IRR等沢山の概念があります。

不動産業者がよく使うのは、表面利回り。表面利回りは、年間の賃料総額÷不動産価格です。これは、固定資産税や管理費等、不動産保有等に係る経費を控除する前の利回りです。不動産業者が一般的に使うため、一般の素人の投資家も表面利回りで価値判断をしているケースも多いと思います。表面利回りが、20%超を超えており一見して高収益物件に見えても、稼働率や不動産経費等を控除した後の純収益で見れば、マイナスになっていたり、利回りが1%とか2%しかない物件も多くあります。特に地方に多い。

REITやファンド等の不動産のプロ投資家が口にするケースが多いのが、NOI利回り。これは、不動産の賃料総額から不動産保有に係る経費を控除した後の不動産収支を不動産価格で割ったものです。【(年間の賃料総額-不動産保有経費)÷不動産価格】売上のみの表面利回りではなく、不動産経費を勘案しているため、より不動産の実力を判断している利回りといえるかとも思います。NOIは、Net Operating Incom(直訳すると運営純収益)の略。

我々、不動産鑑定士が不動産の価格を求める際に一般的に使用するのは、還元利回り=NCF利回りです。NCF利回りは、上記のNOIに、敷金等の預り金の運用益を加算し、将来の大規模修繕の積立必要額を控除した金額(これをNCFといいます。)を分子とし、不動産価格を分母に持ってきた指標です。NOIに比べて、やや、理論上の利回りとなるため、一般的にはあまり使用されていません。一般的には、NOI利回りより0.1%~0.5%くらい低い数字になるケースが多いです。

不動産投資を深く考えていくと、上記のNOI利回りに、金利概念や時間概念を組み合わせて、IRR(internal Rate of Return)やNPV(Net Present Value)等の価値指標に発展し、投資効率を図ります。

利回りの話は、はじめはとっつきにくいですが、実は、そんなに難しい話ではなく、一方で、奥が深く非常に面白い世界です。一つ言えることは、表面利回りはあくまで、売上(満室想定か空室を控除しているかも注意が必要)しか見ておらず、その不動産の真の実力を見ているものではありません。不動産投資は非常に魅力的な投資の一つだと思いますが、不動産特有のリスクや価値尺度が多くあります。これから不動産投資を考えている方は、ご注意ください。いつでも相談にのります。勿論相談は無料です。

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